〈棄想天蓋〉:文芸とポップカルチャーを中心に

トマトです。学位は品種(文学)です。無名でも有名でもないちょうどよい塩梅の文芸作品をとりあげて雑感を綴ることが多いです。レコードが好きです。

平気で生きるということ:正岡子規『仰臥漫録』(1918)

作家の日記が好きで、ときおり読みたくなります。

宮澤賢治がその類を遺していないのが残念なのですが、近代作家の日記というと正岡子規の『仰臥漫録』と石川啄木の『ROMAZI NIKKI』が双璧ではないでしょうか。

わたしは前者がとくに好きで、何年かおきに手に取って眺めています。

 

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ヴィヴィッドな世界

昨日の昼頃に論文を一つ脱稿し、送付しました。

指定された論題が「震災と文学」についてであったので宮澤賢治と文明について書きました。

その夜に熊本を中心とする大きな地震が起こり、いろいろなことを考えさせられます。

 

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六号雑感

宮澤賢治の学会、研究会に入会すると機関誌や会報の他に種々のちらしの類が郵送されてきます。

多くは演劇やコンサートの案内なのですが、わたしの住んでいる地域で催されるものは少ないためさっと眺めてこういうものがあるのだなと確認するだけのことがほとんどです。

これは観たいとおもうものもありつつなかなか都合がつかないので残念です。

 

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ドキュメンタルな《僕ら》/フィクショナルな《私たち》

『AMARANTHUS』と『白金の夜明け』が発売され、DOME TREKも三分の一が終りました。

それらに合わせてTV番組への出演も久々に多く、録ったものをひたすらにリピートして観ています。

音楽番組では『あたしの音楽』での「マホロバケーション」、とくに《ニ・ル・ヴァ・ー・ナ》のときのあーりんのアップが気に入っています。

その他『スカパー!音楽祭』での「Birthday」が尋常ではなくよかったようにおもいます。目前に迫ったソロコンへの夢が拡がります。

奥さんが微笑む高城さんと目を合わせて《いつでもあなたの味方なんだよ》と唄う場面はなんだか感動してしまいました。

しあわせな日々です。

 

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憂気世の絵葉書

近代日本の勉強をする際に、世相や風俗の参考になるのは絵葉書です。

百貨店や博覧会、地下鉄駅などさまざまな新しいものが絵葉書として発売されました。日露戦争のあたりからは出征兵士に送る美人絵葉書も人気でした。

 

近世はもちろん浮世絵です。

たとえば国貞えがく「吉原遊郭娼家之図」です。

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江戸中期の吉原では揚屋での豪遊が衰退して、遊女の置屋であった妓楼が遊興の場を兼ねることとなっていきました。そのような大衆化した吉原を描いた五枚つづきの大作です。

 

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Cry Baby Cry、オギャー!

ももいろクローバーZの新しいアルバムがついに発売されます。

3rdと4th、モノノフであれば一日に二千回くらい目にしているかもしれないお馴染のタイトル、『AMARANTHUS』と『白金の夜明け』です。

それぞれのアルバムから「WE ARE BORN」と「マホロバケーション」のMVが公開されました。そして『ミュージックステーション』と『あたしの音楽』で実演もされました。

どちらもこれまでにない感じで、なのにとってもももクロっぽいという、いつもながらのふしぎな感覚に陥らせてくれます。

 

www.youtube.com

 

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