〈棄想天蓋〉:文芸とポップカルチャーを中心に

トマトです。学位は品種(文学)です。無名でも有名でもないちょうどよい塩梅の文芸作品をとりあげて雑感を綴ることが多いです。レコードが好きです。

犬についての随想

このぼんやりと白いもの

* 宮澤賢治の童話「銀河鉄道の夜」は、ジョバンニとカムパネルラが天の川に沿って走る鉄道で二人旅をする物語です。 そしてそれは牛乳をめぐる物語でもあります。 その夜のジョバンニの旅は母のために牛乳を取りに行くことからはじまり、その胸に牛乳を抱く…

「みゝずのたはこと」

* あまり哀しんでいると犬も安らかに眠っていられないかもしれないので、笑っている写真などをみてたのしかったことを憶い出しています。よい笑顔です。 動画を撮っておけばよかったです。写真はたくさんあるけれど、声を聴きたくなってきます。

「荒涼たる帰宅」

* 犬の手術があった翌日に講義で高村光太郎の『智恵子抄』を扱いました。 この詩集の全篇を通して、妻を看取るそのときまで夫たる「私」が傍観者でしかいられなかったという側面を焦点化し、介護や看護に携わる余地の少ないシチュエーションについて考える…

指を噛ませる

* ふたたび、飼っていた犬の話です。 躾には困りませんでした。とてもおとなしい、のんびりとした犬で、教えたことをすべて覚えてくれました。歯磨きをするとき、あるいはピックで歯石を削るとき、口の中に指を入れても動かずにじっとしていることができる…

「犬と私」

* 十歳になった犬を飼っています。