高橋さおりへ吉岡美佐子から / 沢里武治へ宮澤賢治から

おまへのバスの三連音が どんなぐあいに鳴ってゐたかを おそらくおまへはわかってゐまい その純朴さ希みに充ちたたのしさは ほとんどおれを草葉のやうに顫はせた もしもおまへがそれらの音の特性や 立派な無数の順列を はっきり知って自由にいつでも使へるならば おまへは辛くてそしてかゞやく天の仕事もするだらう (中略…