〈棄想天蓋〉:文芸とポップカルチャーを中心に

トマトです。学位は品種(文学)です。無名でも有名でもないちょうどよい塩梅の文芸作品をとりあげて雑感を綴ることが多いです。レコードが好きです。

幕は必ず閉じるもの、そしてふたたび上がるもの

ああ、閉幕[カーテン・フォール]――

昨夜の帰路、こんな大時代がかった句が浮かんできました。奇書として知られる小栗虫太郎黒死館殺人事件』に登場する句です。

とうとう月刊TAKAHASHIが終ってしまいました。

 

月に一度、日にちを固定してファンクラブ限定のライブを行うというこの企画はほんとうに最高でした。

大箱ではないのに毎回ライブビューイングがあるというのもとてもありがたいことでした。

そして、多分に原点回帰の意味もあるZEPPを主としたライブハウスツアーであったため、大箱よりもLVの臨場感があったようにおもいます。

ももクロちゃんはスタジアムのようなド派手な会場によく映えますが、セットのないライブハウスもよく似合います。多様な衣裳が魅力ですが、Tシャツ一枚でのパフォーマンスも素敵です。

 

強く印象に残っているのは8月号の「Neo STARGATE」です。

アンコールでこの曲がかかったときは、出囃子なのか、ほんとうに唄うのかわからずにすこしどきどきしました。まさかライブハウスでネオスカをやるとはおもいませんでしたが、びっくりするほどかっこよかったです。

他には10月号の「BIRTH φ BIRTH」も印象的でした。踊りも含めてこの曲ってこんなによかったのか、と認識させられ、好きになってしまいました。

唄が上手になり表現力が増したためでしょうか、『5TH DIMENSION』の曲のパフォーマンスがどんどんよくなっているように感じます。

 

がっつり唄って踊ってしゃべる。

装飾がない分だけ自由度も高く、いつにもまして勝手気ままなMCが実によい雰囲気をつくってくれます。きのうも、メンチカツバーガーが百田さんの命取りになってしまった感は否めません。

あの雰囲気が好きです。

 

また、TAKAHASHIではやはりあーりん考案のセットリストが大きな位置を占めています。

ももクロで「佐々木」と言えばプロとアマのふたりがいるわけですが、われらが佐々木プロは本職の佐々木アマとはまた違う意外性の高いセトリを組んでくれて、それが毎回の大きな愉しみとなりました。

とくに昨夜などは最初のブロックの「泣いちゃいそう冬」→「CONTRADICTION」→「空のカーテン」という流れに度肝を抜かれました。

クリスマスの二曲であの激しいコントラを挟む、天才の発想です。

わたしのような凡人だとコントラを三曲目にもっていってしまうとおもいます。もしくはコントラの代わりに「僕等のセンチュリー」のような冬の曲をもってきて並べてしまうとおもいます。

佐々木プロは怖ろしい子です。*1

 

わたしは、現場は落選してしまい、LVも都合がつかなかった回があったのですべてを観ることはできませんでしたが、それでも多くのモノノフと同様に毎月十二日を心待ちにして日々を過ごしていました。

TAKAHASHIが終ってしまいとても淋しくおもいます。

 

しかしながら、浸るにゃまだまだどどんがどん。

年末年始にはたくさんのイベントがあり、DOME TREKもわずかに二ヵ月後のことです。

ことし舞台挨拶で全国行脚をしたその同じ時期にドームツアーを行う、感慨深いものがあります。

きのうの話ではメンバーのひとりずつがクロースアップされるパートが設けられるかもしれないとのことで、いまからわたし気になります。

ドームだから空を飛んだり火を吹いたりしちゃうのかな、なんて妄想しますが、危なくない範囲ではちゃめちゃなことをやってほしいです。

 

ももクロちゃん達は第三章へと移りました。

いくつかの幕は閉じましたが、いくつもの新しいことがはじまります。

 

幕を上げることには定評のあるチームももクロです、誰も想像がつかないようなことをやり、何億光年も向こうの景色をめざして進んでもらいたいものです。

 

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*1:このあまりに意外な構成に、チュートリアルM-1を獲ったときの漫才を連想してしまいました。https://www.youtube.com/watch?v=PTmxEnqxCoQ