〈棄想天蓋〉:文芸とポップカルチャーを中心に

トマトです。学位は品種(文学)です。無名でも有名でもないちょうどよい塩梅の文芸作品をとりあげて雑感を綴ることが多いです。レコードが好きです。

2015-12-01から1ヶ月間の記事一覧

「玉井詩織」についての雑感

* 好きなものについて記してから年を越したいとおもいました。 このblogには「文芸とポップカルチャーを中心に」という副題をつけてみたのですが、気がつけば文芸とももいろクローバーZが中心になっており、なんだったらば「ももクロ」とタグ付けされた記…

六号雑感

* 根が暗いので、ほんのりと翳のある音楽を好んでいます。 近年はポップで明るく、かわいらしい曲も随分と聴くようになりましたが、気を抜くと休日なぞに日がな一日ベッドのなかで、Syd Barrett の The Madcap Laughs あたりを聴きつづけてしまいます。 (…

幕は必ず閉じるもの、そしてふたたび上がるもの

* ああ、閉幕[カーテン・フォール]――。 昨夜の帰路、こんな大時代がかった句が浮かんできました。奇書として知られる小栗虫太郎『黒死館殺人事件』に登場する句です。 とうとう月刊TAKAHASHIが終ってしまいました。

Project - Itoh という計画についての雑感

* 先日、Project - Itoh の映画『ハーモニー』を観ました。 わたしは原作が好きで、重要な作品だとおもっており、四年ほど前から講義で扱うなどもしていました。それもあってこうした形で映画が公開されたことを残念におもいます。 遡れば映画『屍者の帝国…

くじるら くじる えろらる らなる らな なや:大原まり子「銀河ネットワークで歌を歌ったクジラ」(1982)

* クジラが船に見立てられ、そして空を飛ばされるというのはSFでよくみる光景です。 形体やスケール感からしてごく自然な連想であって、『ドラえもん のび太の小宇宙戦争』のようにクジラ型の宇宙船が登場したり、B・スターリング『塵クジラの海』のように…