〈棄想天蓋〉:文芸とポップカルチャーを中心に

トマトです。学位は品種(文学)です。無名でも有名でもないちょうどよい塩梅の文芸作品をとりあげて雑感を綴ることが多いです。レコードが好きです。

2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

北園克衛、聡明な水晶の脳髄またはフラスコの中の湖

* 意味によつてあまりにも混乱した詩は、すべての葉を失ふかはりに、無作法な雀らの群集する一本の木を思はせる。 * 文学に於て、書かれた部分は単に文学に過ぎない。書かれない部分のみが初めてポエジイと呼ばれる。フロオベルが詩人であったのは、フロオ…

竹中郁、リリカルなモダニスト

* 一つ前の記事のなかで『詩と詩論』に言及したところ懐かしさを覚え、久しぶりに何冊か開いてみようとおもい立ちました。 読み進むうちに線を引いた箇所などにあたり、かつて考えたであろうことを朧げに憶い出しました。

ことばで世界を凍らせるということ

* 年末年始に、すこしまとめて前衛俳句を読みました。 ふり返ると昨年は詩にあまり触れずに過ごしたということにおもい至ったためです。 ゆっくりと短詩について考えたくて俳句を選びました。