〈棄想天蓋〉:文芸とポップカルチャーを中心に

トマトです。学位は品種(文学)です。無名でも有名でもないちょうどよい塩梅の文芸作品をとりあげて雑感を綴ることが多いです。レコードが好きです。

2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

続・平気で生きるということ

(承前) * 重病人の日記ながら全体としてはあまり悲壮感はありません。 どこか間が抜けていて、どうでもいいような日常的な話題も多く挿まれます。 このふしぎな暢気さが実に魅力的です。

平気で生きるということ:正岡子規『仰臥漫録』(1918)

* 作家の日記が好きで、ときおり読みたくなります。 宮澤賢治がその類を遺していないのが残念なのですが、近代作家の日記というと正岡子規の『仰臥漫録』と石川啄木の『ROMAZI NIKKI』が双璧ではないでしょうか。 わたしは前者がとくに好きで、何年かおきに…

ヴィヴィッドな世界

* 昨日の昼頃に論文を一つ脱稿し、送付しました。 指定された論題が「震災と文学」についてであったので宮澤賢治と文明について書きました。 その夜に熊本を中心とする大きな地震が起こり、いろいろなことを考えさせられます。

六号雑感

* 宮澤賢治の学会、研究会に入会すると機関誌や会報の他に種々のちらしの類が郵送されてきます。 多くは演劇やコンサートの案内なのですが、わたしの住んでいる地域で催されるものは少ないためさっと眺めてこういうものがあるのだなと確認するだけのことが…